年の瀬なので、今年一年の中で思い出のお仕事について書いてみます。
普段、あんまり作品紹介を書いていないのでこの機会に。
(いっぱいお仕事はしていますが、忙しく更新できてないです。)
今回は ROVOのアナログレコードについて
私はカッテイングエンジニアとして参加しています。
ROVOといえば、国内の名うてのミュージシャンからなるバンド。
メンバーは下記の面々
勝井 祐二:Violin 山本 精一:Guitar
芳垣 安洋:Drums, Percussion 岡部 洋一:Drums, Percussion
原田 仁:Bass 益子 樹:Synthesizer
そのアルバムに参加するのはすごく光栄でした。
メンバーの益子さん(キーボード、エンジニア)からアナログレコードの制作に関して相談がありました(スーパーカー等の手掛けた作品でも有名)
そこで、やるからには、とことん高音質、誰もやってない手法で仕上げたいと思いました。
ちなみに、相談は昨年にあり、販売は今年の秋になりました。
(ほんと是非聞いてほしい)
ROVO『ROVO』アナログレコード(2枚組ダブルジャケット)税込¥4,950
ROVOとしては、2002年の「FLAGE」以来、19年ぶりのアナログレコードです。
そこで
今回は特殊な製造工程によって、アーティストが意図した音質に特に忠実なアナログレコードを作りました。
その特殊な製造工程についてですが、
通常のアナログレコードの製造工程では、プレスするためのマスターを作る際にラッカー盤と呼ばれるディスクにカッティング(音を溝に刻み込む作業)をするのですが、今回は独自に開発した新技術によって、完成品と同じく塩化ビニール盤にカッティングしてマスターを作成しました。
ラッカー盤のマスターはプレスの工程で音質が変化する特性がありますが、塩化ビニール盤のマスターは完成品と同じ材質なので音質変化が無く、プレス工程での音質の誤差を無くすことが可能になり、その結果アーティストが意図した音質を忠実に再現したアナログレコードを作ることができました。
この製造工程は、これまでは静電気や耐久性の問題で不可能でしたが、弊社の様々な実験から開発した新技術によって成功しました。
その技術や工程は現在特許申請中です。
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