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ブログが今年に入って全然更新できていなかったので、記録という意味でも書き足していきます。
4月25日にJungle Brothers アフリカ・ベイビー・バムさんのダイレクトダブカッティングをしました。
Jungle Brothersといえば90年代にデ・ラ・ソウルと並んでヒップホップの歴史をつくったグループ。
当時、私はハウスミュージックにはまっていたので『I'll House You』なんかを聴いていました。
『Straight Out The Jungle』 は、日本では当時藤原ヒロシさんの影響で流行っていた記憶があります。
まさかこうして令和の時代に、ご本人と日本でお仕事をすることになるとは。
今回はダイレクトカッティングでダブプレートを作るという大仕事です。
簡単に説明いたしますと。
既に完成したステレオのトラック音源に合わせてバムさんがラップをして、それをDAWなどのレコーダーを介さずに音溝を直接、アナログレコードに刻むという絶対に失敗が許されない難易度の高いカッティングです。
因みにバムさんは凄くお人柄の良い方で、変な緊張感なく録音出来ました。
今回制作するレコードは、プロモーションオンリーの非常に貴重な1枚です。
テイクとしては3テイクしか記録していません。
1枚目はリハーサル、ここで初めてどんなラップかを聴きました。
レコードとしてのレベルを調整することに集中したので、製品としてはこれはNG。
2枚目は本番、まさに手から汗がでるくらい緊張しながらカットしました。
片手でアナログミキサーのSSLのフェーダーを操作しながら、もう片方の手で
レコードの音溝の調整をリアルタイムに行います。
ちなみに通常のカッティングでは、既に録音された音源をレコードにするため
機械が音量などを先読みする事ができ、音溝の調整はある程度自動で行えます。
ですが今回は音量がその場で変わるので、瞬間的な反応の必要なマニュアル操作での調整となります。
少しでもレベルを誤ると溝が隣と接近したりして音飛びでそのレコードは失敗。
勿論パンチイン等で間違えた所だけの修正もできません。
またレベルが小さいと今度はノイズが大きなレコードになります。
ミュージシャンもエンジニアも、その一瞬一瞬の判断にかなり集中した空間です!!
そして2枚目は無事に完成、予備で3枚目も制作して、結果2枚目が採用に。
ファーストテイクのマジックですね。
その音はというと
もう「生々しい」の一言ですね。
その場の空間、演奏がデジタル録音とは別次元の迫力で記録されます。
スピーカーから流れるレコードの音は先程のモニターから流れてきた音そのものです。
ちなみに録音時にスピーカーから流れている音は記録されていく音のプレイバックモニターでないです。つまりアナログ卓からのダイレクト音な音、マイクから直接の音です。
レコードからの音はマイクからのダイレクト音に近いサウンドという事になります。
この音はミュージシャンなら一度は体験した方がよいサウンドで、価値観が変わると言われています。
最後にプレイバック時の様子の動画を。かなりご本人もご機嫌なのが分かりますね。
ダイレクトカッティングを体験されたい方は是非、ご相談ください。
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