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執筆者の写真Atsushi Yamane

 スタジオの玄関にNeveコンソールV3を壁に飾りました!

更新日:9月18日


 スタジオの玄関にNeveコンソールV3を壁に飾りました!




スタッフの黒助です。


コンソールを壁に飾るってどういうこと?と疑問に思われる方もいると思いますが、そのままの意味でオブジェとして壁に飾りました。

コンソール1chを側面の基盤が見えるようになっていますが、コンソールの一列の裏側を実際に見る機会は、なかなかないのではないでしょうか。


実際に私もコンソールの基盤を見たことがなかったので、初めて見た時は興奮しました(^^)










「Neveとは?」設置の様子をお伝えする前に、Neveの歴史を簡単にまとめました。


 Neveは、ルパート・ニーブ氏が1961年にNeve Electronics社を設立しました。現在のNeve社は、1992年にAMS社と合併しAMS Neve社となっています。ニーブ氏とAMS、Neve社との関係、契約はありません。

 1964年、ニーブ氏はそれまでの伝統的な真空管仕様のものに代わる高性能のトランジスタ機器を開発しました。ちなみに、当時のトランジスタはゲルマニウム・トランジスタが主流で現在のシリコンを用いたトランジスタ回路とは音色などに違いがあります。回路が同じでもトランジスタが違うため、現在のモデリングハード機材の音と音が異なります。しかも、トランジスタの寿命は使用時間によるものなのでオリジナルモデルは貴重なものになっています。同年、フィリップススタジオの依頼を受け、Neve1064を開発します。その4年後の1968年にはソリッドステートタイプのコンプレッサーNeve2254を開発しています。それまでは家の古い馬車置き場を工場、倉庫として稼働していましたが、1969年、専用の製造工場を作り、そこに事業の場をうつしました。そこから5年間、スコットランド、カナダなど各地に販売事務所をおき、1973年には総勢500名を超えるまでに成長します。   1970年代、ニーブ氏は世界初のムービングフェーダーシステム“NECAM”のコンセプトへと発展させていきます。また、スタジオの定番となったNeve1073も1970年代に開発されています。                                     1975年、あまりにも急激な成長による資本の増資が必要となったため、Neve社は英国の上場企業に売却されました。その後、Neve社は1985年にオーストリアのシーメンス・グループに買収されます。Neve V3は1985年にNeveがVシリーズコンソールを発売してから2年後の1987年に誕生しました。                            ニーブ氏は、1985年に新会社「Focusrite Ltd.」を創業し、スタジオのラックに収まるEQやコンプレッサー、マイクなどの新たなアウトボード機器のラインナップを生み出しました。Focusrite Ltd.は、新会社: Focusrite Audio Engineering Ltd.を設立した、Phil Dudderidge氏によって資産を買収され、これまでのFocusrite製品を引き継ぎながら、オリジナル製品も生み出し現在も操業し続けています。1993年に世界市場を考慮し、アメリカにビジネスを移したニーブ氏は、のちにアメリカ国籍を取得し自身の名を冠したRupert Neve Designsを創業しました。亡くなる2021年まで、多くのスタジオ機器を開発しています。                                       参考文献https://hookup.co.jp/blog/5751https://ja.wikipedia.org/wiki/Neve_Electronicshttps://masaag.net/2015/11/30/neve_iquipments/https://commons.m.wikimedia.org/wiki/Category:Neve_consoles・Neve                         


 最初の作業は、ずっとスタジオ玄関にあったwestrexを移動しました。(この様子は後日ブログでご紹介します!)                              その後、V3を壁にかけるためにV3の側面の鉄板をとり外し、壁に打ち込んだ釘がかかるように穴を開けます。そして、V3の汚れをとります。約30年以上実際に使われていたコンソールなので、ボタンの汚れや、埃がたくさん蓄積していました。

スタジオにいらした方を最初に出迎える場所に飾るので、綿棒にエタノールを染み込ませてボタンひとつひとつ丁寧に拭き取って綺麗にしました。側面の板を取っている状態で、掃除していたので、側面の基盤がよく見えます。





EQ、コンプなど箇所で基盤が分かれているのは、不具合が起きた時に、原因となる部分の基盤だけ取り外せるので、メンテナンスが容易にするためです。写真の基盤は、壁側なので見ることはできませんが、実際にスタジオに来られた方が見る面も基盤が分かれているのがわかるので、スタジオにお越しの際は、ぜひそこも注目してみてください。

 綺麗になったら穴を開けた板を戻して、いよいよ壁にかけます。しっかりかけられるように大きめに穴を開けたら、弾丸の跡みたいになっていました。      このNeve V3は何十年もの間、ビクタースタジオで制作の一端を担っていました。綺麗にしたとはいえ、使用感は感じ取れるかと思います。ちなみに、メンテナンスをすれば実際に使用できるそうです!  




 Neveのコンソールを間近で見るのは初めてで、配置やデザインなどSSLと似ている部分はありながら、COMPなどの表記はNeveらしさを感じました。

ConisisのNVKD03を使ったことがあったので、同じVシリーズの本物を見れて感動しました。しかも普段はなかなか見れない基盤を見て、コンソールに関する知識もこれから学んでいきたいと思いました。

スタジオに来られた方を出迎えるに相応しい、オブジェになったと思います。


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